初恋の人

ファンタジーとしてのBLをちょっと越えて、実際にありえそうな雰囲気のある作品を描く鈴木ツタですが、『3軒隣の遠い人』も、ドラマチックな展開があるわけではなくて日常のちょっとした偶然の出会いや出来事で恋人になっていくというストーリーでした。
幼なじみで3歳年上の兄の同級生でもある昇は、光弥の初恋の人でした。
兄は根っからの優等生で、光弥は昔からかないません。
兄弟仲は悪くはないのですが、初恋の人昇まで兄を特別に見ていることに知らず嫉妬を覚えます。
そしてある日、押し倒してしまうのです。
このときは未遂でしたがそれ以来、10年昇は光弥の前に現れませんでした。
10年後、光弥はサラリーマンとなるのですが、昇と似たような女性に魅かれることからいまだ忘れられていないことを自覚しています。
そんなとき、アパートの3軒隣に昇が住んでいることが分かって・・・。
コンプレックスをもった年下攻めです。
なにをやってもかなわない兄に対する嫉妬ややるせなさがリーマンものであるにも関わらず青春の青臭さを感じさせます。
(おそらく中学時代も描かれているからでしょうが)絵柄は硬くて大人な感じであるのに、単語に「ピュア」やら「初恋」やらが出てくるあたり、甘すぎず苦すぎずちょうどいい加減になっていると思われます。
ただ、昇に告白して、昇がそれを受け入れるあたりがBLとしては物足りなさを感じるかもしれません。
それまで10年光弥は忘れられずに未練がましく無料逆援サイト裏ビジネスをしながら似たような女に手を出してきたというのに、そんなあっさりでいいのだろうかと思ってしまいます。
ただ、そのあっさり具合が、実際に起こりそうだなと思わせる部分でもあります。
ドラマチックすぎる展開にお腹がいっぱいの人にはいいかもしれません。

Filed under: 日記 — admin 7:27 PM
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